熊野神社と内小野寺跡:島津義弘公ゆかりの神社と参道横に流れる清らかな名水【湧水町】

湧水町の魅力を発見(再発見)する旅?を続けています。

ここまで以下の場所に行きましたが、皆さんが実際に訪ねたことがある場所はございますでしょうか?

さてさて、今回これに加わるのが、

熊野神社と内小野寺跡

どういった場所なのでしょうか?早速いってみましょう!(^^)/

この記事を要約すると
・島津義弘公ゆかりの寺跡、内小野寺跡は神仏混淆で、当時、権現と呼ばれた熊野神社が現存する
・湧水町の熊野神社は清らかな水が湧き出ている
・熊野神社の社司を今も務める愛甲家は古くから島津家との関係が深い

熊野神社と内小野寺跡とは?

まずは熊野神社と内小野寺跡という場所の歴史やゆかり、行き方などについてご紹介!

歴史やゆかり

内小野寺跡の案内板

川添・宮前(千鳥山とも今熊山とも云う)にあり、昔は新熊権現社と称し、日州大崎郷(大隅大崎)飯熊山照信院の末寺であり天台修験本山派であった内小野寺という大きな寺の境内にあった。

創建年代は不詳であるが、島津義弘公の崇敬篤く、度々参拝寄進があり、参拝の折に馬を繋がれたという「駒繋ぎの松」が境内にあったというが現存はしない。

例祭に奉納されていた相撲は「彼岸相撲」と呼ばれ、氏子あげての一大行事で盛大なものであったと伝えられる。

地元では、権現様(ごんげんさぁ)と呼ばれたりもするそうです。ちなみに熊野神社は各地にあるのですが、熊野神社とは熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の祭神を勧請された神社とのこと。

湧水町の熊野神社は案内にあるとおり、内小野寺と神仏混淆の形で同一敷地に存在しておりましたが、これは大崎町にあった本山である飯熊山照信院も同様でしたので、本山と同じく神仏混淆の地となったのではないでしょうか。

島津家と住職や社司を務めた愛甲家の繋がり

内小野寺と新熊権現社(現 熊野神社)は、島津家に古くから使えていた愛甲家の当主が代々、住職や社司を務めていたとされ、現在も愛甲家の方が社司として熊野神社を管理されています。

特に戦国期に名を馳せた島津義弘公との関係は深く、義弘公が飯野城(えびの市)に移られたのをきっかけに、つながりは深くなったようです。

義弘公は信心深く、合戦後は敵味方関係なく供養されたという話も聞きますので、自身が統治する地域の中で有力な寺社の住持であり、かつ昔から本家とつながりのあった愛甲家と繋がるのは納得の流れです。

その為、内小野寺には義弘公の為の客殿(隠居所)が建てられたと言います。また、愛甲家には島津家から感状や太刀などあたえられており、木崎原合戦記などの貴重な古文書なども今に伝わっています(黎明館に保存されているとのこと)

木崎原合戦とは?

ちなみに伊東家の加久藤城攻略(えびの市)に端を発した木崎原合戦は、九州の桶狭間とも呼ばれる戦いです。約3000の兵で来襲した伊東軍に対し、加久藤城には義弘公の妻子および数十人ほどしかおらず、これを救援するために飯野城から義弘公が手勢300に満たない兵で出陣し、10倍の伊東軍を打ち破ります。なお、これについては、下記の動画が大変わかりやすく、臨場感も味わえますので是非ご覧ください。

つつはの郷土研究会の存在

内小野寺跡として、環境整備や情報をまとめてくださっている「つつはの郷土研究会」

この方々のおかげで、管理人もいろいろ勉強になり、またこの地を探索することができました。現社司でもある愛甲様にも心より感謝申し上げます。(事前にちゃんと勉強してから訪ねればと良かったと反省しています)

「つつはの郷土研究会」が内小野寺跡を整備した際の記事

住所

鹿児島県姶良郡湧水町川添1299−イ

アクセス

そうめん流しなどで有名な竹中池の南側に位置します。鳥居をくぐる道が少し狭いので、運転に自信がない人は軽自動車だと安心だと思います。もちろん、普通車でも通れますよ。

地図

現在の熊野神社と内小野寺跡

鳥居をくぐり車を停めるとすぐそばに歌碑がありました。仙巌園を造った薩摩藩二代目藩主島津光久公の孫であり、加治木島津家第3代当主でもあった島津久住公の歌碑です。久住公は歌が得意だったと言われており、内小野寺の湧水や清らかな水に感激し「又もきて 見すやあらなむこの寺の 岩間の水の清きながれを」と詠まれたとのこと。※ちなみに19歳ぐらいの時の歌です(^^;)

そうここには素晴らしく清らかなお水があるのです!

参道の途中には、そのお水を使った小規模な川魚の養殖場もあります。で、その先に・・

熊野水源

ありました!!

熊野神社の水源

これ、わかりづらいんですけど、すんごい透き通っていて、砂から水が湧いているんですよ!

あとで動画で撮れば良かったと反省。。その方が伝わったかも(^^;)

ちなみに、そのまま汲んで飲める綺麗なお水ですので、周辺の方はココから水を引かれていますし、餌や飼育方法にこだわり、環境省から賞を受賞した湧水町で人気のたまご農場もこのお水で鶏を育てているそう→自然放牧場お多福たまご

追記

その後、動画撮影に成功!
https://youtu.be/VILSF__rxRE

内小野寺跡の名残

内小野寺 三国名勝図会

水源を右手に見ながら参道を進むと三国名勝図会で描かれている水天に関する案内板が。1383年に祀られた板状のご神体は江戸時代に建立された祠に祀られています。

さらに左手には、内小野寺の石垣が今も残ります

参道は竹林に包まれなんとも気持ちがいい

ちなみに階段左右にある竹灯籠は、大みそかなどに灯されるそう

熊野神社の現在

竹林に包まれた先の階段は、またいい意味で趣があります。

登りきるとかつての鳥居が並べられています。そして、

熊野神社社殿です。社殿の規模は小さいながらも、手の入り方が違います。しっかりと管理されているので、社殿を中心に活き活きとした空気感を感じます。

お隣にあるイヌマキも見どころのひとつ。これだけ高いイヌマキはなかなかお目にかかれません。

まとめ

綺麗な湧き水に、寺跡の美しい竹林に遺構、そして今も大事に管理されている熊野神社

観光スポットとして、今まで話題に上がることは少なかったようですが、2019年は、島津義弘公没後400年でもありますし、これを機にゆかりの神社でもあり、寺跡でもある熊野神社を訪ねてみてはいかがでしょうか?

それではまた(o・・o)/~

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