南さつま市が選定した8つの景勝地「南さつま海道八景」を御存知だろうか?
大浦、笠沙、坊津を通る国道226号線。この道中には数々の自然や文化遺産がある。
その中でも厳選に厳選を重ね、雄大な自然景観を感じさせてくれる場所を8つ選定したのだ。
高崎山展望所
晴れて空気が澄んでいれば、甑島をはじめ、羽島崎、吹上浜、金峰山、崎ノ山半島などのパノラマの景観が楽しめる場所であり、江戸時代には、港に出入りする船を見張る役人がいた番所。
さらに、定置網に魚がかったことを仲間に知らせる見張り番がいた魚見櫓も置かれていたという。
非常に綺麗に整備されており、暑さや寒さを厳しいと感じない時期には、弁当などを持参し訪れたくなる場所でもある。
ドライブの小休止場所としても使えるが、なんとも贅沢な小休止になるだろう。
高齢者・介護者向け情報
写真にあるとおり展望テーブルデッキには手すりなしの階段があり、スロープはなく車いす移動は困難です。駐車場の位置からでも景観は良好。トイレはございません。
住所:鹿児島県南さつま市笠沙
谷山展望所
高崎展望所よりさらに海沿いを進む。
その先はリアス式海岸が続くが、崖下の海はとても青く澄んでいる。
青い海にみとれながらも注意深く進むと急カーブの先に第2スポット「谷山展望所」を発見。
なんでも、江戸時代後半に近隣から移住してきた人々が、耕地面積の少ない土地の開墾を進めようと山の斜面を切り開き、掘り出した石を積み上げていった結果、城壁を彷彿させる段々畑が生まれたという。
先人が生み出した段々畑の素晴らしさは言うまでもないが、個人的には、田舎らしいバス停のたたずまいも夏という季節にマッチし風情を感じた場所である。
高齢者・介護者向け情報
バス停そばの空き地に車を停められます。舗装のない砂利の地面です。トイレはありません。
後浜展望所
笠沙恵比寿の前を通過し、国道226号からはずれて、野間池郵便局を左折し奥に向かうと後浜展望所が現れる。
展望所自体には看板があるが、他の展望所に比べ、国道からの案内に乏しいので注意したい。
後浜展望所の醍醐味は、野間岬に沈むスケールの大きい夕日を見ることができることだ。
ただ、日中は日中で見ごたえがある。
目の前にそびえ立つ巨大な立神や、左手遠方にうっすらと望む沖秋目島と阿房の立神(鵜瀬)など、全く趣の違う景観が眺望できるからだ。
海を見れば透き通った水色。
波の音も心地よい場所。
笠沙恵比寿に近いため、宿泊時は絶対に押さえておきたいポイントとして覚えていてほしい。
高齢者・介護者向け情報
駐車場5台分ほどあり。駐車場に車を停め海側に向かい右手に行くと段差もなく車いすでの眺望も可能。ただし、下り坂になっているため、車いすの取り回しには十分注意していただきたい。
笠沙美術館展望所
正面には沖秋目島。そこから望む海、山すべての景観が最高のアート。
冬場などの空気が澄んだ日には、遠く南西諸島の黒島も眺望できる。
江戸時代の一書によれば、沖秋目島には戸柱大明祠があり、その昔中国の船が暗礁に触れて危険な目にあった時、舟人が戸柱神に祈ったところ難を逃れたという伝説が残っているそうだ。
美術館からの眺望が、リアルタイムに変化するアートになる。
天候、季節、時間。。
いろんな要素の組み合わせを楽しめる場所になるだろう。
高齢者・介護者向け情報
駐車場は台数約20台分。十分なスペースがあり舗装もされており、車の中からでも眺望を楽しめます。笠沙美術館は車いす専用トイレはないもののスロープにて入館可能。
・スロープは長さ1700cm/幅150cm/勾配9%です。
落水展望所
南さつま海道八景のなかでただ一つの山の景観。
ここでは、亀の形に切り立った崖である亀ヶ丘岩壁を見ることができる。
亀ヶ丘は標高387m、山頂が亀の形に見える山で、その頂には展望所、休憩所・トイレ・遊歩道が整備され、牧場にはなだらかなスロープが広がり、放牧された牛がのんびり草をはむ様子を見ることができる場所だ。
この頂からは、雄大な東シナ海や起状に富んだリアス式海岸、広大な大浦干拓や日本三大砂丘の吹上浜、快晴の日には開聞岳が一望できる。
落水展望所では、この亀ヶ丘岩壁を見上げる形となるが、正直、肉眼ではやや遠すぎるのが残念。
亀ヶ丘からの眺望とセットでこの岸壁の雄大さを感じてほしい。
https://kagoshimayokamon.com/2015/11/09/kamegaoka/
高齢者・介護者向け情報
落水展望所駐車場からは木々に阻まれ、みえない可能性があり。その場合、道路を横断する必要があります。なお駐車場は舗装されています。
丸木崎展望所
枕崎方面から丸木浜に向かう際に遭遇する丸木崎展望所。
ここからは、史と景のまち「坊津」を代表する泊浦をはじめ、風車が立つ番屋山や丸木浜の景観を見ることができる。
沖合には、瀬と呼ばれる島もあり、松島や蒲鉾瀬、双子瀬、山島、人形瀬など、美しいリアス式海岸の自然美が広がっており見ごたえ満点。
水平線の彼方に沈む夕日もポイントのひとつ。
南国らしい景色に心が癒される場所である。
高齢者・介護者向け情報
駐車場として明確な整備はされていないが、舗装され車を停めるスペースは十分にある。以前の展望台は階段を上る必要があったが、整備されたことにより車いすでの眺望も可能になっている。
輝津館展望所
坊津の長い歴史を背景に、広く住民に呼びかけ、寄贈、寄託の形で収集した貴重な資料を収蔵及び展示している坊津歴史資料センター輝津館。
国指定重要文化財の「絹本着八相涅槃図」(複製品。本物は11月のみの公開)や県指定文化財の「坊津一乗院聖教類等」「杉戸」「扁額」をはじめ漁業や農業
に関するもの、明の時代に渡来した青磁や白磁など、坊津の歴史、民俗文化を知る手がかりとなる資料が数多く展示されている。
その輝津館にある展望所からは、天に向かって剣のようにそびえ立つ双剣石を見ることができる。
穏やかな波間に対峙するようにそそり立ち、それぞれ高さ27メートル、21メートル。
また、双剣石一帯は、その景観に加え、歴史、文化的背景が評価され、国の名勝「坊津」として指定されている。
浮世絵で有名な歌川(安藤)広重が画題に用いるなど、江戸時代から著名な地で、周辺の網代浜で行われる魚の様子は、遠方から見物客が訪れるなど、漁業観光のはしりであったと言われている。
歌川(安藤)広重の作品に残る絶景を自分の目で見る事ができるとは幸せな事。
そんなものが身近にあるとは。。
改めて鹿児島の自然の大切さを知った次第である。
高齢者・介護者向け情報
輝津館駐車場から双剣石一帯がみえない事もないが、印象として遠い。よりよく見える場所へは手すりのない階段を降りていく必要がある。トイレは車いす用トイレがある。
耳取峠展望所
枕崎市との境目が近い耳取峠展望所。
ここからは遠くに望む開聞岳と大隅半島、眼下に広がる枕崎市街地を見ることができる。
この眺めについて、江戸時代の書物では、「本(薩摩)藩第一と云者あり」との記載が残されるほど高い評価を受けており、歌壇の巨匠八田知紀は、「むすぼれし旅の思いを大空に今日こそ開けひらぎきの岳」と、耳取峠から開聞岳を望見する雄大秀麗な景観に心をうたれ、旅先での思いを歌に詠んでいる。
南さつま海道八景の中では、代表的な朝日の絶景スポットであり、開聞岳から登る朝日の光景は幻想的。
ここでの朝日から一日がスタートできたらどれだけ幸せなんだろうと心から思う。
高齢者・介護者向け情報
耳取峠展望所では、駐車場からの展望も望める。ただ、数段の段差を昇り、椅子やテーブルなどが設置された場所のほうが眺望としては良い。他の展望所同様、トイレなどはない。
まとめ
管理人は春~夏は数回海道八景を回ってしまいます。それだけ素晴らしい景観が待っているのです。また、海道八景だけでなく南さつま市の見どころはほかにもありますよ→南さつま市カテゴリ
それではまた(o・・o)/~