大乗寺は、第15代守護職 島津貴久公の夫人雪窓(ゆきまど)によって、現在の日置市日吉町に建立されました。

文禄4年(1595年)日置島津家3代島津常久が、初代歳久の冥福を祈るため、大乗寺を日置島津家の菩提寺にしたそうですが、残念ながら明治2年の廃仏毀釈で廃寺となったお寺です。

日置島津家初代当主「島津歳久公」

大乗寺を語る上で最も重要なのは、ここに眠る日置島津家初代当主「島津歳久公」の存在でしょう。

 

九州戦国志において勇名をはせた島津四兄弟。

 

その四兄弟の中で少し影が薄い存在として扱われる歳久公ですが、祖父 忠良公は「始終の利害を察するの智計並びなく」 と評しており、事実、合戦における活躍や洞察力も優れたものだといわれています。

 

他の兄弟に比べ、後世の評価が低い要因として、豊臣秀吉の九州征伐の折、和睦、従属を決断した主家に背き、徹底抗戦を訴えた為、自刃に追い込まれたという点が大きいのかもしれません。

しかし一方で、九州征伐直前には家中で唯一「秀吉あなどりがたし」を訴え、合戦に反対したという説もあるようです。

 

それを考えると、後の徹底抗戦は武門の意地によるものか、はたまた主家を救うために島津家全体にかかる秀吉の処罰を、歳久のみに向けさせ、主家を救おうとした節も考えられなくもありません。これは歳久の子供たちが日置島津家として家と領土を安堵された事実。そして、秀吉死後、義弘公が歳久公自刃の地に『曹洞宗滝水山心岳寺 ※現・平松神社 』を建立し、菩提を弔った点からも伺えます。

 

なお、歳久公は自刃の際、なかなか絶命する事ができず「女もお産の時に苦しい思いをするであろう。自分の死後はそういった女の苦しみを救ってやろう」と言ったともされており、それが平松神社が安産の神として崇められるきっかけになったそうです。

現在の大乗寺跡

img_0080

歳久公の墓石となります。

img_0082

その他、大乗寺の石像や灯篭は見ての通り、ただならぬ迫力があります。廃仏毀釈による破壊の後は若干あるものの、これだけ迫力のある仁王像にはそうそうお目にかかれません。※阿形像の破壊状態のほうがひどいですが、これも他の寺跡に比べればマシな方でしょう。

img_0081

龍の手水鉢は、元文二年(1737年)に寄進されたもの。

img_0079

石像の迫力と場の静けさのギャップがたまらない場所です。

 

入口の階段含め、雰囲気としては夏に訪れたい場所ですね。

img_0078

受け継がれた歳久公の系譜

歳久公が初代となった日置島津家は、薩州島津家の島津義虎公次男 島津忠隣公を養子と迎え入れ、この忠隣公が二代目に当たるが、歳久公より前にわずか19歳で豊臣軍と戦い絶命している。

桂山寺跡(島津忠隣公墓所):日置島津家の系譜は赤山靭負を生み、その意志は西郷隆盛へ引き継がれる @日吉
2016-09-21 00:06
日置市日吉町日置。県道37号線から城の下地区から日新小方面へ曲がった道の先に桂山寺跡がある。 桂山寺跡(島津忠隣公墓所) 桂山寺の開基は不明だが、日置島津家三代目当主常久公が父忠隣…

その嫡子である常久公が三代目として命脈を守り、のちに西郷隆盛にも影響を与えた「赤山靱負」を生むのである。

赤山靭負 墓所:お由羅騒動で惜しくも散った西郷隆盛の思想に影響を与えたとされる薩摩藩士 @日吉
2016-09-21 23:50
日置市日吉町にある赤山靭負墓所の紹介。 まずは赤山靭負という人物についてご紹介したい。 赤山靭負の歴史 ざっくりですが赤山靱負についてまとめてみた。 生い立ち 赤山靭負(ゆきえ)は…

高齢者・介護者向け情報

正面の階段は手すりがあるものの段差が高い事に加え、滑りやすく、また凹凸が多いため健常者でも昇降しにくいです。ですので同敷地にある「南洲窯」さんの駐車場を借りると駐車場のすぐそばなので苦労がないと思います。ただ、そこでも段差が少々あり、車いすでの移動は困難です。

 

住所

鹿児島県日置市日吉町日置5679 ※「南洲窯」さんの住所ですが、すぐ隣ですので大丈夫だと思います。

 

地図

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

焼酎や蔵元情報はだれやめ日記へ





関連キーワード
  • 鹿児島市ドローン空撮
    鹿児島市のドローン空撮
  • 可愛山陵(新田神社):ニニギノミコトの陵墓と子宝祈願でも有名
  • 郷田滝(白糸の五反滝)
    郷田滝(白糸の五反滝):県道55号線沿いにある加治木八景に数えられる滝 
  • 手づくりプリン かじはら
    手づくりプリン かじはら
  • ドルフィンポートイルミネーション
    ドルフィンポートクリスマスイルミネーションへ
  • 指宿港にある濱崎太平次の像
    濱崎太平次像:指宿が生んだ幻の豪商と明治維新