【南九州市川辺町】水元神社:清流が流れる神社へ約800年前に中国で造られた薩摩塔を訪ねてきた

紅葉スポットの事前確認に南九州市川辺町にある岩屋公園を訪ねようと思ったのですが、実は岩屋公園の周辺にも史跡などが多くあることを知り訪ねてみました(^^)/

水元神社へお参り

先ずは岩屋公園の南西にある水元公園へ

アクセス

岩屋公園入口を通り過ぎ、道なりに進むと右手にあります。

地図

由緒

清水村の産土神として、正徳五年(一七一五年)に水元権現として創建されたのが現在の水元神社で、祭神は水分神として神体木像があり、他に仏像三体もあったと伝えられるが、仏像は明治二年に焼棄されたという。記録によれば、承応二年(一六五三年)と文久二年(一八六二年)に修補、九重塔もあったとある。社司は麓の桑波田氏で、のちに菊野氏となった。鳴野原台地の水が地下水となって、岸壁の下から湧き出している水量が多く清冽で、どんな晴天にも長雨にも水量の変化がない。水の出元に水元神社があり、境内に薩摩塔(町文化財)がある。日本の名水百選の一つに選ばれた。

社殿の様子

最近まで神社裏手側の土手崩壊対策工事をされていたようで、それを機に社殿も新しくなったようです。

本殿は彫られた崖の中にあります。実にめずらしい造りです。

境内の様子

木々の緑が美しく心が落ち着きます

左は一見、石碑のようですが、御田神という文字が刻まれていることから田の神さぁでしょうか??仏様と共に並んでいました。

水元神社の薩摩塔

薩摩塔は、九州の西側に偏在する四角型や六角型の石塔です。水元神社には戦没記念碑などと共にこの薩摩塔があります。

薩摩塔は、半世紀前に初めて存在が認識された、石塔である。その姿は、木造のそれを石で模した須弥壇の上に、壺型の塔身を据え、その上に、棟に強い反りをもった屋根がのるというもので、須弥壇の四面には、一面につき各一躯、四天王像が、塔身正面の龕中には、塔の主役である坐像が、肉厚な浮彫であらわされている。塔の姿といい、刻まれた尊像の姿といい、日本にある石造物の中では、異風際立つ存在である。

そもそもこの塔は、薩摩で存在が認識され、わずかに作例が知られていたもので、現在の呼称はそれに由来している。その後の調査の進展で、平戸周辺や、福岡平野周辺などからも確認され、むしろ分布の重心は、西北九州にあることが明らかになってきた。とはいえ、現状 30 基程を数える塔の所在が、九州内に限られている状況には、変わりがない。九州の信仰と造形について考える際には、看過できない意義をもった存在だと言える。

水元神社の薩摩塔は六角型で、四天王像や如来坐像が刻まれています。

またこの薩摩塔に使われている石材は中国浙江省のものであり現地で造られたという話です。※参考資料:薩摩塔と碇石 高津 孝

穏やかな表情をされています

南北朝~鎌倉期にかけて造られたものが地域にそのままあるというのは、当たり前のようで凄いことです。ある意味、博物館などに展示されるレベルのものが普通にあるんですから…

ちなみにこの薩摩塔は近くにある雲朝寺跡から発見され、その後、水元神社に移されたとのことなので、元々は雲朝寺というお寺にあったのでしょう。よく廃仏毀釈の破壊をまぬがれたものです。おそらく時代の記録には残っていない、この塔を守った人々がいたのだと思います。

水元神社の湧水

境内の横には1日6000トンともいわれる水が湧いています。

綺麗な水が豊富に流れています(*^-^*)

水元神社の紅葉

新緑や紅葉の季節はとても美しくなると期待させる場所でもあります。

岩屋公園のついでに寄ってみても良いかもしれません

雲朝寺跡

薩摩塔が発見されたという雲朝寺跡は水元神社からほど近い場所にあります。

地図

雲朝寺跡の様子

現在は畑の横に石塔が並んでいるだけとなっていますが、なにやら古き良き日本の田舎といった雰囲気が印象深かったです。

まとめ

如何でしたでしょうか?毎度のことですが、地域にはいろんなものがあるものですね(*^-^*)

今回も何気なく訪ねただけなのに、こんなに素晴らしいところを知らなかったとは!!と、反省しまくりでした。

その一方で、地域をぶらつく楽しさ、鹿児島のよかもんを再発見する楽しさを再認識させられました。

岩屋公園周辺にお出かけの際は是非お立ち寄りください(^^)/

それではまた(o・・o)/~

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