山道を登って、ある神社にたどり着いた結果、登山までしてしまった話。
野間神社・野間岳
概要
野間神社の創始年代は不明。ただ、社記によると野間岳の山腹に神代の都「笠狭宮」があったとされている。
標高591mの小山ながら古くから山岳信仰の対象となっており、海上から目立つため、特に航海者からの信仰が厚かった。
当初は野間岳の山頂に「東宮」と「西宮」の2つの本殿があり、東宮には瓊瓊杵尊・鹿葦津姫命を、西宮には火蘭降尊・彦火々出見尊・火照尊を祀っていたが、後年、西宮では「娘媽」「順風耳」「千里眼」という神がまつられるようになった。この3柱の神は中国沿岸部の祠でよくまつられる神であり、この地域と中国とのつながりが伺える構成となっている。
島津家と野間神社
島津日新公はこの神社を崇敬し、天文23年に東宮を再建し永禄10年には息子・島津貴久、孫・島津義久連名で西宮を再建したらしい。ただ、地理的に台風被害の多い土地であったため、その社殿は後年崩壊。
文政13年には、島津斉興公が現在地の八合目に東宮と西宮を統合した1つの社殿として再建している。※頂上にある石灯籠の胴の部分には「文政13年寄進」とあり、この時、社殿に変えて石灯籠などを建立したと思われる。
その後、その社殿も被害を受け、現在の社殿は昭和51年にコンクリートで作り替えられた物となっている。
登山道
この社殿裏手から、野間岳の頂上を目指すことができるが、途中途中の植物を楽しめ、登山初心者でも比較的楽なコースと言われている。ただ、実際に上った感想としては、多少険しいところもあるので運動習慣のない方は十分に注意してほしい。
野間岳頂上
なお、頂上部からの大パノラマを写真で表現する腕はなかったので、この点はお詫びしたい。
頂上にある足型
最も景色を眺めやすいところの足元は、岩が人の足の形に凹んでいた。古代よりどれだけの人がこの地に立ったのだろうか??
おそらく年月は流れようと景色はそんなに変わっていない場所。当時の人たちが見ていた景色と同じものをみれるのはありがたいことなのです。
高齢者・障害者向け環境情報
- 野間神社:駐車場は舗装されている。トイレは簡易トイレのみ。トイレットペーパーなし。駐車場から鳥居の手前の13段の階段を上ると、その先に43段の階段があります。(いずれも段差は15cmほど、43段の階段は中央に手すりあり)神社内は舗装もスロープもないので車いすの乗り入れは困難です。
- 野間岳:頂上まで30~40分ほど。滑りにくい靴、トレッキングポール、飲水用の水などあったほうが安心。山中は通路の整備がされてはいるが、途中、足場が悪いところもあり足腰に自信がなければ無理はしないほうが良い。場所によっては綱を手繰って登るところもあり。十分注意していただきたい。