【薩摩川内市】入来麓武家屋敷群、清色城跡、寿昌寺跡と春の散策にもってこいの史跡巡り

入来麓は、知覧武家屋敷群や出水武家屋敷群と並ぶ、三大武家屋敷群です。

薩摩の武家屋敷群とは?

江戸時代、薩摩藩は領内を100以上の区画に割り、外城、麓、地頭仮屋という独自の統治システムを構築していました。これは、各地方に地頭職を設け、その地方の軍備や関所を整備し、他国からの入国者に徹底的に備えるためだったと言われています。

これらは外城と呼ばれましたが、その経緯には以下のような話があります。

関ヶ原の戦いで島津家は、石田三成側である西軍についたにも関わらず、巧みな外交戦術で本領を安堵されます。※他の外様大名は全て転封、減封、改易といった厳しい処分。

その後、薩摩では1602年 初代藩主忠恒公により鶴丸城が築かれるわけですが、ご存知の通り鶴丸城は天守を置かない館のような作りで、1600年に天守が完成した熊本城との違いは比べるまでもないものでした。

その裏には、徳川に対する敵意がないことを示す部分もあったかもしれません。ただ一方で、戦国期に築いた地方の統治システム(外城)は、戦国期ほど活発ではないものの維持していたようです。

そして1620年には、二代将軍徳川秀忠の命により一国一城令が出せれ、城は国の中心に一城のみとなり、全国各地で乱立していたお城は姿を消し、薩摩でも鶴丸城を残すのみとなります。ただ、城という形を成さない外城の存在は当然ながら解体されるわけもなく残るわけです。

これにより「本城=鶴丸城=一国一城」と形の上では成立していますが、実際は各地域に武士団の集合体地域(地域の軍事拠点)があるという独自のシステムが生まれました。実に巧妙ですね笑

さらにそういった地域の下級武士達は、俸禄だけでは生活が苦しかったため、武士をしながら自給自足をする「半農半士」として生活していたようです。

ちなみに江戸末期には外城ではなく「郷」という呼び名に変わりますが、郷士とは「地方の武士」そして鹿児島の城下の武士を「城下士」と読んでいたそうです。

こういった地域には今も「麓」という名が地域に残っていますし、これだけしっかりと区画に分けられていたら、今も地域や地区で方言が違うのも妙に納得できますね。

入来麓

さてさて話が長くなりましたが入来麓のレポートを。。

この日は、メインとして「武家茶房Monjo」さんにランチに来たところ、あいにくの臨時休業だったため、そのまま周囲を散策しようと考えました。

観光用の無料駐車場がありますのでそちらに車を停めて散策開始です!

電線が電柱ではなく地中にあればな。。と思う風景です。それでも何か心を落ち着かせてくれます。

小学校の土手にある梅が咲き始めてました。桜の季節はさらに綺麗になるでしょうね。

見事な茅葺の門ですね。

旧増田家邸宅は茅葺の取り替え中でしたが、物凄く日本的でこんなところ鹿児島にあったんだなぁ。。と感心させられます。電柱がどうにかなればさらにいい風景になるのに(苦笑)

清色城跡

国指定史跡の清色城跡。かつて入来院氏が本拠とした堅牢な山城です。

なにが凄いってこの堀切ですね。

これまた「鹿児島にこんなトコあったの??」と。。

上を見上げるとなにやら神秘的。

遠い昔、ここを武士たちが通っていたのでしょうか。。

先に行くと案内が。ただこれなめちゃいけません。20mとかありますが、結構な斜面階段の20mです。。

本丸を目指す道もこんな感じです。。運動不足の人はあっという間に息切れします(笑)また、頻繁に「マムシ注意!」の案内があります。暖かい時期は要注意ですね。

本丸からの眺め。

VR写真

 

寿昌寺跡

入来院氏の菩提寺だった寿昌寺の跡です。山手の方に入来院氏の墓所があります。入来院氏は渋谷氏の庶流にあたり、戦国期にの島津氏との抗争を経てその傘下になります。

とても立派なお墓が並びます。

この近くには、入来院氏の一族を祭神とした「重来神社」や、入来院氏 第十六代である入来院重高の菩提寺だった蓮昌寺跡もあります。いずれも風情がある場所なので押さえておきたいです。

観光まとめ

他にも見どころがあったのですが、時間の都合で。。(^_^;)再訪問時に参らせていただきます!個人的には麓の街並みに、城跡、石仏と見どころの多い”まち歩き”ができると思いますので、ウォーキングがてら行ってみてはどうでしょうか?

よかもん君
知覧や出水とはまた違った風情があるよね。ー♪

地図

 

それではまた(o・・o)/~

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